社会保険労務士の受験資格。高卒では受験できない?
社会保険労務士試験は、残念ながら誰でも受験できるというわけではなく、受験資格を満たした者しか受けられません。
一般的に、大学において学士の学位を得るのに必要な一般教養科目の学習を終わった者などには受験資格が与えられます。

残念な事に、高卒のままでは原則として受験資格がないんです…。
他の受験資格があればいい!
しかし、諦めないでください!
社労士試験の受験資格は、何も上記の資格だけではないんです。
いくつかの受験資格があるので、ご紹介しますね。
一定の実務経験を有する者
高卒のままでも、「一定の実務経験を有する者」は社労士試験の受験資格が得られます。
例えば、社労士事務所や弁護士事務所の事務員として3年以上働けば、受験資格が得られるんですね。
ですから、どうしても社労士になりたい!というなら、社労士事務所で3年間働きながら勉強することをお勧めします。

実務経験を積みながら勉強できて、しかも受験資格と給料をもらえるんですからね。
これこそ一石二鳥、三鳥だと思います。
各種国家資格試験に合格した者
他にも高卒のままで受験資格を得る方法は、他の国家試験に合格するという方法です。
どんな国家試験でもいいというわけではなく、厚生労働大臣が認めた国家試験でなければいけません。
http://www.sharosi-siken.or.jp/pdf/03/03_03_kokkasiken.pdf
上記のURLは、厚生労働大臣が認めた国家試験の一覧です。
(リンク先は社会保険労務士試験オフィシャルサイトです。
なぜかこのサイトは直リンクお断りということなので、リンクは張っていません。)
一覧を見てみると、公認会計士試験とか司法書士試験とか、まずそっちに受かる方が難しいという試験が多いですね。
面白いのは、理系の国家試験でも社労士試験の受験資格が得られる、ということ。
例えば、気象予報士試験や情報処理技術者試験、さらには水先人と言った変わり種の資格でもOK。
オススメは行政書士試験!
上記リストの試験に受かるのは、なかなか難しいです。
そんな中、私のオススメは行政書士試験です。
(ちなみに上記PDFの中に行政書士試験の記載はありません。
しかし、それとは別に行政書士試験の合格で社労士試験の受験資格が得られることが定められています。)
以前は、行政書士試験は社労士試験に負けず劣らず合格率が低かった時代がありました。
今から15年ぐらい前は、合格率が2〜4%を推移していたのです。
しかし、近年は合格率が2桁を超えることも珍しくなくなってきました。

ちなみに平成30年度(2018年)の合格率は、12.7%。
決して楽勝ではありませんが、真面目にコツコツ勉強していれば手が届く合格率です。
また、行政書士試験の問題は社労士試験に比べて、素直な問題が比較的多いんです。
何と言いますか、勉強の成果が試験に反映されやすいんですね。
行政書士の場合は社会保険労務士試験と異なり、絶対的な合格基準点(300点満点中180点)があらかじめ定められており、その基準点を超えれば誰でも合格となります。
また、行政書士の場合は、科目別の合格最低点はないので(法令科目全体の合格最低点・一般知識全体の合格最低点はあります)、社会保険労務士試験のように1科目でも失敗したらおしまい、というような難しさもありません。
もちろん、高卒でも受験できます。ついでに言うと、国籍や年齢さえも問われない、非常に窓口の広い試験です。
ですから、まずは行政書士試験にチャレンジして、そして合格してから社労士試験を目指すのがいいと思います。

そうすれば、社労士試験に合格したら「行政書士・社労士」のダブルライセンスを取得している状態になりますよね。
仕事の幅も広がり、より活躍できることでしょう。
放送大学に入学する
この方法は、「高卒でも受験できる」という趣旨から少し外れるかもしれませんね。
「大学において学土の学位を得るのに必要な一般教養科目の学習を終わった者」に受験資格が与えられるんです。
この「大学」の中には、「放送大学」も含まれます。
ですから、放送大学に入学して、一般教養科目の単位を取れば受験資格が得られることにるんですよ。
放送大学は入学のハードルも極めて低く、学費も廉価です。
そして、原則として通学する必要がなく、自分のペースで勉強できるため、あまり勉強時間や通学時間が取れない人でも勉強することができます。
このような方法もあるので、検討してみてくださいね。