えっ、資格を取ると貧乏に?社労士も?

 

いやはや凄いタイトルの本があるんですね。資格を取ると貧乏になります (新潮新書)という本。

 

 

 

 

 

まだ読んでいないのですが、弁護士、公認会計士、税理士、社労士が資格を取っても食べていけない現実が書かれた本のようです。

 

 

まあ、日本は高度成長期がとっくに終わり、少子高齢化も進んでいく中、どんな職業でも安泰という世の中ではなくなってきているのは事実です。

 

文系資格最高峰の弁護士だって、弁護士事務所に就職するのも一苦労という現実があります。

 

 

そもそも資格は、その人の一生の安泰を保証するパスポートではありません。

 

業務独占資格においては、その資格を得られればその業務を法律上行うことができるようになる、というだけです。

 

それ以上でもそれ以下でもないのです。後は、その資格で認められた業務をどのように行っていくのかが問われるのです。

 

 

士業が国から俸給が出るわけではなく、クライアントから報酬を戴く職業ですから、一種のビジネスです。

 

つまり、事業の経営という視点も持ち合わせないと、「食べていけない」という事態が発生してしまうということですよね。

 

 

需要過多で供給僅少なら、殿様商売でもやっていけるのでしょう。かつての弁護士や医者は、そうだったのではないでしょうか。

 

 

しかしすでに弁護士については、需要と供給のバランスが崩れてきています。

 

今は以前に比べ、毎年4倍もの司法試験合格者が輩出されていますから、弁護士は急激に増えてきています。

 

それに対し、日本はいまだ「訴訟社会」にはなっておらず、それほど弁護士を必要とする法律トラブルは増えていません。

 

そうなると、増えた弁護士でパイの食い合いをするのですから、必然的に食いっぱぐれる弁護士が生じるということになってしまいます。

 

 

もちろん、これは弁護士の問題だけではありません。

 

医者はまだ供給過多ではなさそうですが、すでに歯科医は供給過多が問題となっていて、「食えない」歯科医が激増しています。

 

 

当然、社労士も人ごとではありません。

 

もともと「士業」の中では独立開業が難しい資格と言われていますが、このような社会状況においては、ますます社労士の資格で独立開業して食べていけるようになるのは厳しくなっているのではないでしょうか。

 

もちろん、社労士の場合は「勤務社労士」という形態があり、資格を取る人がみんな独立を目指しているわけではないのですが、なかなか厳しい状況には変わりありません。

 

 

これからの時代は、資格を取って開業してもその資格の業務だけに拘る必要はないのではないか、と思います。

 

兼業が禁止されていない資格であれば、その資格の業務以外の仕事もどんどんやっていいのです。

 

 

社労士の業務は社労士法で定められていますが、その業務だけしかしてはいけないわけではありません。

 

社労士としての知識を生かして、新しい仕事を考え出していくことも、必要なのではないでしょうか。